エイプリール・フール

 一昔前なら、いざ知らず、最近はとんと聞かなくなりました。
 大抵は、どんな嘘をつこうか、考えているうちに終わってしまうか、気付けばもう過ぎていた、というのがほとんど。
 4月から新年度が始まる日本では、この時期は忙しくて、んなこと考える暇もないというのが本音でしょうから。
 ま、ドラマや漫画のネタ(古くはサザエさんなんかでもあったかも)にも最近じゃならないってことでしょうか?
 なんせ年中無休で嘘があふれているのが人の世の常。
 だったらいっそ、この日は絶対に嘘をつかない、ぐらいの日にすればいいのに。
 で、なんかあったら、エイプリール・フールだよ、ってことにして。
 本気で、真面目に冗談を言ったり、冗談みたいな感じで、軽くサラッと本音が漏れたり。
 えっ!?って思った時はもう言葉も真意も遠く流れて行っちゃって、確かめようがない、なんてあるしさ。
 ま、冗談ってことにしておこう、って感じで曖昧にさせておいた方がいい、なんでもハッキリさせることはないでしょうし。
 こう考えてみると、嘘やジョークのセンスって言うのは言う側だけでなく、受け取る側にも、求められているみたい。
 冗談にしてはタチが悪いけど、本気だったらもっとタチが悪いってこともあるし。
 ホントのように聞こえる嘘
 と
 ウソみたいに聞こえる本当。
 それほど大した違いがなさそうに思えてくるから、なんか怖いのかもです。

 ま、ホントかウソか迷ったらこう聞いてください。
 そのウソ、本当??
 ってね。