テスト、作成、採点

 私んとこの学校、テストは年に二回。
 まだまだ先と思っていても、確実にそのXデーはやってくるのです。
 しかもその範囲の広さときたら。
 聞いただけでやる気をなくしそうなくらい。
 学生は大変だけど、教師というのも実に大変なんだなって、実感しました。
 今回私は作文、会話のテストに加えて、読解試験の担当もやらせて頂きました。
 初めて、読解の試験問題を作成し、採点するわけです。
 学生からは
「試験、どんな問題がでるんですか?」
 の質問攻め。
 無理もありません。
 進級、卒業がかかっているのですから。
 私自身も学生の時はこの手の質問したっけ。
 で、教師の答えは大抵似たようなもんなんですが。
「今まで授業でやったところから出ますよ」
 聞いた時は、
 当たり前じゃん!!
 んなこと分かってるし!!
 つか、そんな答えが聞きたいんじゃないのに!!

 って思ってましたが、教師になって分かったことは 
 それ以外、言い・よう・が・ないだろぉ!!
 ってこと。
 問題と答え教えるわけにはいかないし、授業でやったところ以外から出すわけ無いし。

 それにしても試験の問題作成ってこんなに難しいとは思いませんでした。
 問題を作って上の先生に見せるのですが、
「これは簡単すぎますね。」
「これでは難しすぎますね。」
 とダメだしの嵐。
 ホントにバランスが難しい。
 全員100点でも、0点でもダメで、
 ある程度点数がバラけなければいけないのですから。
 読解の問題になるような本文を探して、そこから問題を作るのですが、問題文が分かりにくかったり、解釈が何通りか出来てしまったり、答えが複数でてしまったりもNG。
 こっちの大変さも分からず試験のことで勝手なこと言っている一部の生徒に、この口が言うのか、この口が!!
 ってギュしたいくらいです。
 そもそも、読解のテストで、答えが一つだけってのがおかしいと思いません??
 読んだ人の数だけ意見や考え感想があるはずでしょ。
 ま、試験ではそんなこと言ってられませんが。
 確実に答えが一つしかないような問題作ると、簡単すぎるってことになりますし。
 そんなこんなで、四苦八苦の果てに作ったテスト。
 授業を少しでも覚えててくれればそうそう、悪い点にはならないはずなんだけど、
 ま、現実ってのは私の予想や期待の左斜め上を行ってますからね。
 
 もう採点してて、んなわけあるかい!!って解答多くて。
 特に、サービス問題として、授業中に、ここは絶対にテストに出しますよ!!って伝えて、解説し、答えまで出した問題を間違えられたときにはもう…。
 でも自身振り返ってみればね、あまり生徒に偉そうなことも言えないか。
 あれだけ教師が口を酸っぱくして言ったこともろくに聞かず、当日になって
 ああ!!なんだったっけ!?!? 
 なんてありましたからね。
 でもって、試験が終わってしまえば反省も後悔もなく、さっさと忘れてましたし。
 第一、生徒に一度授業でやったんだから覚えているはず、なんて言うのは
実に教師側の自分勝手な期待過剰でしかありませんから。
 一回の授業でマスターする。
 んなこと出来るなら、誰も苦労しないでしょうね。
 繰り返し覚え、でも何度も同じ間違いを重ね、そこから時間かけてようやくたどり着く。
 でもそこは終着ではなく、新しい次の、その次への始まり。
 それが学問でしょうし。
 試験というのは勉強の目的じゃないですからね。