Go West 三日目 広島
出雲大社を出ても、なぜかずっと西を目指して走り続けました。
日本海に沈む夕日がとても綺麗で、いつまでも、どこまでも追いかけるように走っていたんです。
でもとっぷりと、日が沈み、追いかけっこも終わり。
気がつけば下関でした。
ここで一晩過ごして明日、観光でも良かったんですが。
なんせ幕末の史跡や、秋芳洞と観るところはいっぱいありますから。
でも残りの日程と、距離を考えると、そんな悠長なことはしてられません。
方向を東へ。
Go East。
というわけで、三日目の今日は広島にいます。
広島も初めて訪れる地です。
通過したことはあるんですが。
初めて広島に来たら最初に行く場所はここでしょう、やっぱり。
ちょうどこの建物の真上で爆発したのだそうです。
決して忘れないようにと補修をしながら残しておいたのだとか。
写真やテレビで見て、この原爆ドーム知ってはいたのですが、実際に目のあたりにしてみると、なんといいましょうか、お腹の中に冷たい鉛でも無理やり流し込まれたような寒気を覚えました。
怖い、理屈抜きでもう怖かったですね。
どれだけ沢山の人を殺したいと思ったんでしょう。
戦争ではなく、一方的な大虐殺でしかないじゃん、これって。
ドームの中にいた人は一瞬で蒸発したそうです。
何が起きたのかも分からず絶命。
そして時間が経つごとに多くの命が失われ、それが今になってもなお続いている。
そんな現実があっても尚、まだ大量殺戮破壊兵器を何処の国も作って持っているわけですから。
こんな悲しいこと繰り返さないように。
人はいずれいなくなってしまい、そう遠くない将来、被曝された人はいなくなってしまうでしょう。
戦争を体験した日本人もいなくなってしまいます。
でもこのドームの鉄筋や壁は、灼熱も放射能の記憶もしっかりとその中に刻み込んで、これからも見る人に多くのことを伝えるんでしょう。
だからこそ、この建物だけはなくしてはならないんでしょうね。
戦争に対する日本人の基盤、原点となるものですから。
戦争と言ったらまずここを思い出すように。
原点を失ったら、それは行くべき、たどるべき未来をも無くしてしまうということでしょうから。
そんな日本の未来、見たくないですし。
してはいけないのでしょうね。