成績

 学生の間からは、春休みの話題もちらほら出ていますが、その前にやらねばならないのが
 学年末テスト。
 そのテスト範囲の膨大さから、普段は一夜漬けで乗り切ってきた生徒でもやる気をなくすという、アレです。
 学生にとっては大変かもしれませんが、教師も大変なんだなぁということを、身を持って知りました。

 ペーパーテストだけではなく、会話のテストや作文のテストもあります。
 私も何クラスか任されて、採点、そして成績をつけたのですが、これが本当に大変でした。
 迷いに迷いました。
 成績を付けるのってこんなに大変だったとは。

 かといっていい加減に付ける事は出来ません。
 私の付けた成績が、今後の生徒の進路を決めるわけですから。

 私の判断が私以外の人の人生に多少なりとも影響を与えてしまうわけですし。
 
 成績の付け方はAからEの5段階評価。
 もっともEが付く子なんてほとんどいないのですが。
 そして相対評価ですから、それぞれの評価を付けられる人数は決まっています。
 それが一番の悩みでした。
 良く出来ていても、全員にAを付ける事は出来ない。
 逆に全員、出来が悪かったとしても誰かにAを付けなければならない。
 ま、そんなことってほとんど無いのですが。

 では何が大変かというと…

 まず誰がAで、誰がDか、というのはすぐに決まるんです。
 これを決まるのはそうそう難しいことではありません。
 
 悩むのはBとC。
 だれにBを付けるかというのがね…
 
 生徒にしてみれば、BをもらうのとCでは大分印象が違うでしょうけど、私にしてみれば本当に僅差なんです。
 Cの生徒とBの生徒の差なんて。
 違うテーマの作文テストをしたり、違う日に会話テストをしていたら、もしかしたらCつけた子はBだったかもしれません。
 Bの子はCだったかもしれないといういくらいに。

 こうして今思うと、学校の成績なんていかに表面だけでしか判断していない、薄っぺらいものなんだな、というのが分かります。
 あんなもんでは何も分かりっこない、でもそれでしか判断しようがないから、成績に一喜一憂するんでしょうけど。

 もしかしたら私の付けた評価に対して、どうして私はこの評価何だろう、○○さんより出来たはずなのに、私の方が低いなんてって思う生徒がいるでしょうね、いや、絶対います。
 ま、全ての人に納得出来る評価なんてありっこないのですが。
 だから教師は決してぶれてはいけないのでしょうね、自分のしたことに。
 
 嫌われて文句言われて、それも教師の果たす役目なのでしょう。
 と自分に言い訳して、教務課に全て提出しました。

 ホッとしました。
 学生の時以上に。
 ま、だからと言って春休み!!ってわけにはいかないのですが、教師って言うのは。