喧嘩両成敗

 幼いとき、学校でクラスメイトとケンカしたときって、両方とも先生に怒られるもんですよね。
 私自身も経験あります。
 どうして、向こうから先に手を出したのに、悪いのは向こうなのに、私まで怒られなくちゃいけないの??とよく思ったものです。
 自分から他人にちょっかい出すような子供じゃありませんでしたし、1人でいる方が好きだったので、誰とも関わり合いになんてなりたくありませんでしたから。
 先生だってその事を知っているはずなのに、私まで一緒に怒られてました。
 あの頃は教師を結構恨み嫌ってたものです。

 ま、それも子供の頃の話。

 今、教師という立場になって思う事は、喧嘩した人間の両方の言い分を聞いていると、そりゃ両方とも悪いな、っていうことが多い、ホント、全部そうだっていっていいくらい、そして、ホントに原因は詰まらないことなんですよね。

 日本人だけでも争いが起きるのに、ここは日本語学校
 色々な国からの生徒が来ています。
 小さなケンカ、なんて日常茶飯事。
  
 でもこの前はちょっチいつもより大きかったかな?

 それに終いには、
「先生は日本人だから、中国人を嫌いなんでしょ!!だから韓国人の味方するんだ。」
 とまで言われる始末。
 少しカチンときたのでこう言いました。

「中国人だから嫌い、韓国人だから好き、なんてことはないです。授業の邪魔をするなら、中国人でも韓国人でもきらいです。日本語を頑張って勉強する人が好きなの、どこの国の人でも。」

 ま、同じ国の人間だからと言って仲良く出来る訳では無いし、違う国の人間だから喧嘩する理由もないですしね。
 でもさ、中国人と韓国人、喧嘩の原因は座る席のことでしたから。
 小学生じゃないんだから、とも思ったけど、逆ですね。
 
 大きくなればなるほど、喧嘩の引っ込め方っていうのが下手になり、出来なくなるみたい。
 引き下がれなくなって意地を張ってしまう。

 ま、先生の私にいうのに日本語を使いますから、こういうのも練習になるかなと思って、最後まで両方の言い分を聞くんですが。

 言葉というのは案外、教科書に書いてあるものよりも、こういう所から覚える方が身に付くものなんですよね。
 もっとも、こんな日本語覚えても、試験には受かりませんが。