そこはかとない敗北感

 買い物をしていて、ふとあることに気づき財布を見ました。
 やっぱり。
 ポイントカードを忘れてきました。
 このままレジに行ってしまおうか、と思いました。
 今日の買い物金額からしてポイントが付いても19p。
 つまり19円ってことです。
 そんなもんだったら、付かなくても、まぁいいかなと思ったのですが、なんだろ、このそこはかとくわき上がる敗北感。
 うん、と思って買い物カゴに入れていたものを全部棚に返して、自転車で家まで戻り、再び買い物に。
 ポイントカードしっかり出しました。
 何かを得ているようで、トータル的に考えると失ったり無駄にしている物の方が多いのかもしれませんが。
 第一そーしたからと言って勝ったなんて気は全然しないし、むしろバッカみたいって感じなんですが。
 敗北感なんて言ったって数分もすれば忘れちゃうようなものですし。
 でもなんか意地になってしまうと、損してでもいいからやり通したくなる、ということ昔から多々ありました。
 袋菓子が開かなくて、鋏を使えばいいものを意地でも手で開けたくなったり、殻が開いていないピスタッチョをなんとしてでも開けようとしてみたり。
 他人から見ればアホらしいでしょうし、実際私だって他の人が同じことしていたら…いえ私だったら応援するかな、多分。
 そーゆーときって周りが見えていない、一直線なのかもしれないけど、合理性を求めたからといって全てが見えるわけじゃない。
 むしろ同じものしか見えなくなるから、こーゆーアホさというのも必要なんだろと自分に長い言い訳をしました。

 要はさ、買い物行く前に、その店のポイントカード持ったかどうか、確認すればいいだけの話なんですから。