水をやる。

 秋分の日ということで、当然学校はお休み。
 ま、生徒たちもゆっくり羽をのばしている事でしょう。
 休みの日って皆なにしているの?と学生に聞いたところ、殆どの子は寝てる、なんだとか。
 ま、無理もありません。
 物価の高い日本での生活は楽ではありません。
 殆どの子は学校が終わったらアルバイトしているっていう話です。
 しかも夜遅くまで。
 部屋に帰るのは夜遅くなのだとか。

 ある生徒はお弁当作り、つまりおかずやご飯を容器に詰めるバイトしているのですが、いつも周囲の人に
「早くしろ」
 と言われているのだとか。
 最初に覚えた日本語だそうです。
 日本人はなんでそんなに急いでいるんですか?
 って聞かれました。 
 なんででしょうねぇ??
 急いで急いで、急ぎ過ぎて、いつの間にかそれが目的になってしまったんでしょうね。
 どうしてこんなに急いでいるのか、分かんなくなっちゃったのかも。
 急いでその結果浮いた時間を、何か有効に使うのかと思いきや、全くそんな事は無く、浮いた時間で又何か別な事に急いでいるのですが。
 たぶん死ぬまでね。
 生き急いで、そして死に急いでいるのでしょう。
 『足長おじさん』にありました。
 多くの人は目的地までの道のりを急ぐあまり、道端の花の美しさに誰も気づかない。
 からからに乾いた日本人の心には花も咲かないのかな?