いつもの風景、だけどちょっと違う風景

 某病院で書類(カルテ)整理のアルバイトしてます。
 お昼は外へ行くのが面倒くさいので病院内にある食堂で済ませることに。
 病院の食堂っていうと真っ先に思い出すのが村上春樹著の『ノルウェーの森』に出てくるみどりのお父さんが入院していた病院の食堂。
 地下にあってなんか薄暗く、使ってある食器は患者さんに出す食事に使われるのとのと同じプラスチック製のもの。
 初めて来た人間はまず間違いなく食欲をなくし半分も食べられないといった感じの。
 ここの食堂もそんなんだったらどーしよー、でもそれはそれで面白いかもと不安半分期待半分で行ってみました。
 でも二階にあった食堂は大きな窓に囲まれて、明るくメニューもファミレスのように和洋と種類豊富ですし、食器はプラスチックやアルミ製ではありませんでした。
 ま、その分値段もうーんと思うようなものでしたが。
 さてここの病院には某有名コーヒーショップも入っているのです。
 すごい時代ですね、病院の中にまで進出してくるとは。
 資本さえあれば何処にでも、そして何処まででも侵入してくるのですから。
 ま、私も普段は街中にあるお店でしたら入ってコーヒー飲んだり、テイクアウトしたりしますが、なんかここではちょっチ入りづらいのです。 
 利用しているお客さんは当然と言えば当然なのですがこの病院に何らかの形でいる人ばかり。
 それだけでいつものコーヒーショップが全然違うものに見えてくるから不思議です。
 考えてみれば病院の中っていうのは一つの街が凝縮して存在しているようなものですね。
 街に必要な施設やシステムはほぼあるのですから。
 いうなれば閉鎖された場所における小さな社会があるわけでして。
 だからでしょうか、病院に入るとなんか他の場所では感じないような見知らぬ街にきたような気分になるのです。
 で、仕事終わって外に出ると元の世界に帰ってきたようなホッとした気分になってしまうのです。ま、私は自分の意志で出たり入ったり出来るのですが、もしそうでない立場になったらと思うとちょっチ怖くなります。