きみ去りし後
ついこの間までは入学願書を取り扱う仕事していました。
個人情報のダダ漏れですね。
外の洩れなければ問題無いなんて言っていますが、私のようなまったく関係無い人間に情報が伝わってしまっているのは事実。
ま、これ使って何かしようとは思いませんが。
個人情報保護法と言うのは、個人情報を守るのではなく、自分の知らないところで自分の情報を使ってお金儲けする人を許さないための法なのかもしれませんね。
そして今は違う職場に移って、相変わらず書類整理のバイトしています。
周囲にいる人はもう顔色悪い人ばっかり。
まるで病人みたい…って当然ですね。
ここは某メディカルセンター。扱っている書類はここの患者さんのカルテなのですから。
ホントに空気が重いです。
ひたすら気にせず仕事していますがたまに積んであるファイルがバサバサっと崩れて開いたページに赤く死亡
なんてスタンプが押してあるのが見えると、なんだか見てはいけないものを見てしまったような気分になります。
カルテにも色々ありまして。
一人の患者に電話帳どころか、第六版広辞苑よりも分厚くファイルされたものもあれば、カルテの枚数は少ないけど入院と退院を繰り返している人のファイルもありました。
平成に混じって昭和の日付のカルテも出てきて。
考えてみればカルテの時間は最後に記載されてから時間が止まっているんですよね。
昭和のカルテはそれが書かれてからずっと、今日私の手によって開かれるまでずっとそこにあり続けたのですから。
今この患者さんがどうしているのか、ちょっチ怖くて想像もできませんが。
書いたお医者さん、それを見ながら話している医者の話を聞いている患者さんやその家族。
このカルテはその全てを刻み込んでいるはず。
その記憶を垣間見ることが出来ないのはある意味幸せなのかもしれません。
ま、こういったことを扱う仕事に従事している人にしてみればそれらはただの数字にすぎないのかもしれませんが。
あと政治家にしても。
いえいえ違いますね。
政治家にしてみれば国民なんて全て数字でしかないのでしょうね。