♪ボクは3丁目の電柱ですぅ〜♪

 運動不足にならぬよう自転車で近所を走っています。
 河原沿いの道が丁度サイクリングコースになっていますので、いつもそこを走っています。
 もっともカゴ付きの自転車に乗っているのは私くらいなものですが。
 タイヤの細い、高そうな自転車に乗ってスイスイ追い越していくガキンチョの背中見てますともう、なんかムカつく、死ねばいいのに…とまではいきませんが、なんか悔しいものありますね。
 しばらく走ると、目の前を空に向かいスッと何かがが昇って行くのが見えました。
 その後を追うように付いていく白い糸も。
 それはまるで空と大地を繋ぐかのようでした。
 河川敷で凧あげをしている親子のものでした。
 なるほど、水量の少ない今の時期の川岸は凧上げにはいい場所なのでしょう。
 凧上げは電線の無い、広い場所であげましょうとは東京電力でも言ってますが私のいる田舎でもそんな場所を探すのは年々難しくなってきています。
 田んぼはどんどん宅地になっていき、そうすると電線が張り巡らされていくのですから。
 この電線というのは今までそれほど気にしたことも無かったのですが、ロンドンではほとんど見なかったせいでしょうか、今見るとひどく景観を損ね、なんか邪魔に見えますね。
 ふと空を仰いだりしたときなんかも空を囲み、区切ってしまっているみたいで、ひどく狭いものにしているのです。
 電線の隙間からしか仰ぎ見ることの出来ない空なんて、なんか寂しいじゃん。
 空はどっこまでも広く、もう『広い』なんて言葉では狭いくらい、あって欲しいです。
 でもそれが良いと言う人もいるんでしょうけど。
 電線のある風景にノスタルジックな想いを抱く人もいるのでしょうし。
 あと東京電力の電子ちゃんとかも。
 
 空と大地を繋ぐ一本の細い糸。
 しばし自転車を止めて見入ってしまいました。