箱根駅伝

cashcard2008-01-03

 箱根駅伝復路のスタートは8:00。
 芦ノ湖を出発した選手が小田原中継所に到達するであろう時間は約一時間後の9時頃でしょうか。
 ラジオではすでに7時から箱根駅伝の番組になっていて昨日の往路での結果や今日のエントリー等を発表していました。
 それを私は車の中で聴いています。
 向かっているのは小田原中継所。
 早起きした甲斐もあって現地に到着したのは7時半。
 1時間半前ではいくらなんでも早過ぎ…なんてことはありません。
 もう中継所の周りはタスキリレーを観戦しようと詰めかけている人垣ができているのですから。
 幸い中継地点近くにやっと人一人が入れるくらいの隙間を見付けることが出来ました。
 後はひたすら待つだけです。
 流石に寒い。足元からひしひしと冷気が伝わってきます。
 カイロ代りに入れた缶コーヒーはもうほとんど体温と同じくらい。
 でもひたすら待ちます。
 こういうときって大抵一人ぐらいはラジオを持ってきていて、それもイヤホンで聴くのではなくスピーカーで流してくれるのです。複数のラジオがあるとそれこそステレオ放送チックになるのですが。
 時代だなと思ったのは携帯電話でテレビ中継を観ている人がいたことでしょうか。
 
 「函嶺洞門!」
 スタッフの声が響きました。
 駅伝を知っている人間には、もうそれだけで何を意味するか十分伝わります。
 続けて力強く箱根の風をも震わせる和太鼓の音が響き渡りました。
 それは芦ノ湖からの走者を温かく迎え入れ、次の走者にエールを送るかのようでした。
 
 しばらくすると遠くから歓声が聞こえてきます。
 そしてそれがどんどんと近づいてくるのが分かります。
 来る、来る、来る、周りの人はもう中継点の入口を見詰めています。 
 先頭は早稲田でした。
 目の前を通過するのはほんの一瞬なんですが激しい息遣い、熱気が一瞬にして辺りを支配し、続けて観客からの熱い声援も手伝って一気に体温が上昇、興奮度も加速度的に上昇。
 今まで寒いのを我慢して待っていたのがウソのようです。
 続けて歓声を吹き飛ばすかのような怒声が響いてきます。
 次のチームは見なくても分かりました。
 いまや駅伝の名物となった駒沢の大八木監督の怒声です。
 続けて駒沢の選手が入ってきました。
 あの声を背に受けながらでは選手もプレッシャーでしょうね。
 へたれなトコ見せたら後で監督に怒られるって思うとね。
 
 いつもならもっと近くでタスキの受け渡しを観ることが出来たのに、今年はここまでが精一杯。
 何度も言うけど、駅伝観戦の醍醐味はタスキの受け渡しを間近で観ることなのに。
 ま、多分私だけかな?うちの家族あまりそこまでのこだわり無いみたいだし。
 でも箱根の山を約一時間で越えて、中継点に入る頃はもう倒れる寸前。
 でもタスキを渡した選手と受け取って走りだす選手の間にある一瞬の表情のやり取り。
 どこを取ってもそれはドラマになります。
 だからもっと近くで観せりぃや!!4チャン、か駅伝連盟か、鈴廣!!どこに言えばいいのかな?カナカナ??
 
 やがて全ての学校がタスキを渡し次の走者がスタートしました。
 規制も解除され人々はぞろぞろと帰途に付きます。続きをテレビ観戦するためにどこか急ぎ気味に。
 中にはこれから新幹線で東京に向い、大手町のゴールまで行くなんて人もいました。
 
 駅伝の魅力。
 私なんぞが語るなんてオコガマシイと思いつつ、でもやっぱ言いたい、聞いてほしい(なら素直に言えよ)
 何かを誰かに託すことのできる、そんな物事や仲間に多くの人が憧れを持つからなのかも。
 今さえ、自分さえ良ければいい、では駅伝では勝てませんから。
 何かを伝えることのできる、それが人。
 でも楽で便利で安いを過剰に追及している日本では今どころか未来をも無駄に消費し、使い捨ててしまおうとしているかのようですから。
 実際私自身に問いかけても即答出来ませんから。
 自分に未来へ何か伝えたいものがあるか、託したいものがあるか、残したいものがあるかなんて。
 どちらかというと消去したいことや抹消したいこと、無かったことにしたい事の方が多いかもなのです。