デジタルVSアナクロ

cashcard2007-12-13

 物を捨てられない性格というのは本当に困ったものです。
 貯め込むことに喜びを覚えてしまい、周囲に物があることで安心でき、いつ切れるか分からないという不安を嫌うあまりに消耗品は必ず予備を用意し、そして予備が無い時のために予備の予備まで揃えているという訳分からない事しているので捨てるべきものとそうで無いものの区別が今一つ付かない。
 今日もそんな裁定をかけるべき物が出てきまして。
 この先使うことは多分、というかほぼ無いのでしょうけど…
 どうしよう。
 以前会社勤めしている時に使っていたものです。
 
 タイプライター。
 ケースから出してみたら独特のインクと機械オイルの匂いがしました。
 電力いらずと地球に優しい機械、というより道具になるのかな?
 ま、これが電動式になり、ワープロが出て、今はパソコンに取って代わられたのですが。
 今使っているノートパソコンと並べてみたりなんかして。
 
 小さいくせにモニターと本体が一緒になっているパソコンよりも重たいんです。
 だからこそ安定していて力強くタイピングしてても動いたりしないんですけど。
 試しにタイプしてみました。
 やっぱりキーが重い。
 特に左の小指使うのは。
 パソコンのキーなんて軽くてうっかり押しているとああああああああああああああってなんちゃうのに。
 今のデジタル社会から見ればホント、アナクロなものでしか無いですね。
 
 打っていると独特の音が部屋に響いて、こんな大きな音がしていたんだと、久し振りに作動させてみてちょっチ驚き。
 今の機械類はパソコンからプリンタ、冷蔵庫、等など、性能やコストだけではなく作動音が静かであるということも求められていますからね、特にコンシューマーでは。
 うるさいものの代名詞になりそうな掃除機だってそうなのですから。
 でもその物が持っている、その物にしか奏でられない独特の音っていうのもいいものです。
 あの頃にはそんな事考えもしなかったけど。
 何に触れても同じ音しか出ないなんて味気ないし。
 なんかそうなりつつあるんだけど。
 ううう!!
 いかんねこんな考え方、思考停止になっています。
 この世界に同じものなんて一つとしてあるはずないのに事象現象を思いっ切り薄めて捉えてしまっています。
 もっと世界の音に耳を傾けて聴こうとしなければ。
 そうすればタイピングの音1つ取っても、その中に心に響く音楽を見いだせるのですから。
 そういえば以前タイプライターっていうタイトルの曲がありましたけど、あれってどんな曲なんでしょ。
 大勢の人間がタイプの音のみで演奏しているとしたら結構面白いかも。

 となんだかんだ言いつつ、結局取っておくことにしました。