プレゼント

 ジッタリンジンなんて浮かんでしまう時点で歳バレそうかと思いきや、割とマイナーの中のメジャーらしく結構知っている人多いから分からない物です。
 
 空は相変わらず暗雲立ち込め、寒い日です。
 どのくらい寒いかというと…
 ロンドンの地下鉄の駅、場所によっては地上に出るまでかなり長いスカレーターを使わなければなりません。 本当に長いのです。
 なんせヨーロッパで一番長いエスカレーターというのはロンドンのとある地下鉄駅にあるというくらいですから。
 でもってエスカレーターに乗ったら、前にいたのはカップル。
 なんか顔近づけて話ししてて。
 こりゃくるなぁと思っていたら案の定ぎゅうっと抱きしめあって。
 ま、よくある光景ですね。
 街中で電車の中でと。
 ったく人目もはばからず他所でやれっつううの、なんて思ったら負けかなと思い無関心を装いつつ何気なく見てたんですけど。って見てるな!!
 で、その抱きしめた手を相手のダッフルコートのフードの中に入れてて。
 外寒かったからね。
 フードの使い方ってこういうのもありなんだなと妙なトコで感心。
 誰かの唄に、寒いから並んで歩いている好きな人のポケットに自分の手を入れてなんてありましたが、(そのまま財布でも抜くのか?なんて考える私は既に何か終わってますね。)ポケットと違いフードは相手のにしか入れること出来ませんからね。
 相手のいる人しか出来ない。
 ま、私には縁もゆかりもない事ですが。
 別に羨ましいとは思いませんでしたし。
 男同士でしたから…
 とそのくらい寒い、つまり人のフードにすら手を入れたくなるくらい、凍えるような寒い日だったんです。

 友人から電話がありました。
 もうすぐ誕生日を迎える別の友人にプレゼント買いに行こうとのこと。
 で、もうすぐ帰国の私にも何かプレゼントしたいのだが何がいいかな、かな、カナカナ…
 今欲しい物は?
 手に入るか否かは関係なく、考えるだけだったら楽しい物です。
 私見たく欲の権化、煩悩、物欲、お金に意地汚い人間には特に。
 でも私が今欲しい物ってなんだろ?
 いえあるのですけど恥ずかしすぎて口に出来ないだけ、というわけではなく。
 ま、誰しも本当に欲しい物って中々手に入らないのかもなのです。
 必要なものだったら手に入るのでしょうけど。
 この欲しい物と必要なものの違いというのは曖昧になりつつある昨今。
 でも欲しかったものは確実に今目の前にあるんですけど。
 というか気付くの遅すぎ。
 何かプレゼントをしてくれる、自分に関わってくれる友人。
 欲しかったものですね、これって充分に。
 
 さてあまり訳の分からないこと言って友人を困らせたくありませんから、何か考えておこうっと。
 ありがとう、こんなに素敵な時間をくれて。