賄い物語り。最終章
寒い日が続きます。
寒いというよりも凍て付くといった方がいいかもしれません。
こんな日は身体の温まるものでも食べたいものです。
今週で賄作りは最後です。
長いような短いような、何とも言えませんが実に楽しかったのは確かです。
出勤してきたスタッフから今日のご飯なに?と聞かれたり、食べ終わって美味しかったの言葉を聞くと嬉しかったですし、それに支えられてここまで来れた訳ですから。
今週は昨日がおでん。
今日はホワイトシチュー。
最後の週は何を作ろうかと思っていたら、おでん食べてたいとスタッフの方からリクエストを頂きました。
寒い日が続きますからいいかもと思い決定。
それにしても嬉しいものです。
しっかり答えなければと気合入れました。
月曜日からじっくりコトコト煮込んでおきましたから。
食べる頃には大根も卵も良い感じに味がしみこんでいて。
日本ではコンビニに行けば£2ちょいで色々な具のおでん買えますが、ここロンドンではなんとも贅沢なご馳走になりますから。
正直材料費を気にせず自分が食べたいと思う物を料理出来るってなんて素晴らしいのだろうと、こういう時だけはオーナーに感謝。
一緒に作った炊き込みご飯も好評でしたし。
やっぱりおでんには炊き込みご飯、でしょでしょ。
たまたまその日にいらしてたお客さんが食べてみたいとおっしゃられまして。
大根、卵、といくつかの具を見繕いご飯と一緒にお出ししたら、本当に美味しいと好評を頂きました。
そして更にチップまで頂きました。
賄いでチップを貰えるなんて、驚きましたがとっても嬉しかったです。
そんなロンドンでの賄い物語りももう終わり。
楽しいけど、そろそろ次のステージに進まなければいけないみたい。
そうですよね、ずっとここにいることは出来ないし、いつか辞めるそれも五年後十年後なんてものではなく、後数ヵ月後にはって、始める前から分かっていたことなのに。
帰るとき、なんと皆が見送ってくれました。
まだお客さんがいて仕事しているというのに。
本当にありがとう。
皆、元気でね。