焔
夕方のラッシュ時でしたので地下鉄に乗らずオックスフォードストリートをボンドストリート駅まで歩いていくことにしました。
もっともこの時間帯は通りも人でいっぱいなのですが。
でも今日はやけに空いているんです。
それもそのはず、バスやキャブをはじめ一切の車両がなく、通りいっぱいに人が歩いているのですから。
何かのイベントらしかったのですが、その時はあまり考えずに空いてていいな、ぐらいにしか考えていませんでした。
でもボンド駅が近づくにつれて人口密度が一気に高まり、ついには人波をかき分けて進まなければならないほどになってしまいました。
大勢の人にもみくちゃにされましたが、なんとか人の合間をかいくぐって、本当にもう駅は眼と鼻の先といったところまで来たのに!!。
なんとバリケードが。そして大勢の警官隊が通行止めにしていたのです。
どうやらこの近くにあるデパート、ジョンルイス前でイベントがあり、会場と化している通りは一切の通り抜けは出来ないとの事。
うーやられた!!と思っても後の祭り。
仕方ないのでまたもや人波をかいくぐり戻ることにしました。
が、が、なんと後ろにもまたバリケードが出来ていたのです。
つまり閉じ込められてしまいました。
話しによると、今日はオックスフォードストリートのクリスマスイルミネーションの点灯式があるのだとか。
でもって、通りは客席代わり。
混乱を避けるために、通りに人がある程度入っていったらバリケードで区切っていき、人口密度を一定に保とうとしたみたいなんです。
つまりこのバリケードは点灯式が終わらなければ解除されないのです。
又前まで行くのは嫌だったので、その場で待っていました。
しばらくしたら、前の方でカウントダウンが聞こえてきました。
そして0になった瞬間、花火とともにオックスフォードストリートにあるクリスマスイルミネーションが一斉に点灯。
やっと駅に行ける…
最近は日没も早く、もう4時前から暗くなってしまいます。
夜の闇は長く夜明けは遠く、だから灯りをあちこちに燈すのでしょうか、闇を祓うかのように。
闇は恐怖、光は安心というのはなにも耶蘇の考え方なだけではないのでしょうけど。
でも、暗闇の中をおっかなびっくり、ビクビクしながら手探りで転んだりあちこちにぶつかりながらそぞろ歩く、そんなんだって決して悪い物ではないと思うのですけどね。
そうでないと光が灯り見えるところだけが世界の全てって錯覚してしまいそうになりますから。
闇に隠れて見えないところ、気付かない場所も世界の一部なんですから。