知り合い(いう事にしておいてっととと…)と電話で話しをしていたのですが、この前受けた健康診断の結果にちょっと心配なことがあるとか。
 ま、昔はkgとかcmで表示された数字だけを気にしていれば良かったのですが、歳を重ねるにつれて実はそうも言っていられず、細かな数値や、レントゲン、心電図なんかにも気をつけなければならないということなんですね。
 医者からは喫煙の習慣をどうにかね、なんて警告は受けたらしいのですが、それは、まぁすぐには無理でしょうね。
 私自身は喫煙の習慣はないのですが、周囲には割りと多かったので喫煙者の心理というのが、なんとなくではありますが分かる部分もありますから、分かってはいてもすぐにということは早々出来ないでしょう。
 それに何かを止めるということは、例えばタバコでもいいのですが、それだけに留まらず、そこに付随するもの全てを無くしてしまうことであり、それは単にタバコの事だけには納まらないでしょうから。
 むしろ喫煙の習慣を続けながらもそれに負けない身体作りをする、といった方に話しを持て行けばいいのではないのかにゃ??
 肺を丈夫にするためのヨガや心臓の血管を強くする食事方法なんて具合に、あればですが。
 何かをしない、止めなければいけないなんて自分を追い込むのではなく、新しいこと始めるという感じでアクティブに受け止めれば。
 ま、万人向きではありませんが、喫煙しながらも身体を丈夫にする方法は確かにあるのですから。
 健康診断といえば思い出すことがあります。
 日本にいた頃会社の健康診断の結果が返ってきたので、お昼に食堂で見たのですが、見た瞬間全身の血が一斉に引き、背筋から全身へ悪寒が走るような事が記載されていました。
 肺のレントゲン検査結果の所に、白い陰影らしきものがありますので至急精密検査を受けて下さい、と。
 当時の私にはそこから連想出来るものは1つしかありませんでした。
 あの時の状況は今でもはっきり覚えています。
 不思議なのですが喧騒に包まれていた食堂でしたのに、周囲から一切の音がスーッと消えていきました。
 次に視界から一切の色が無くなり世界の全てが灰色に見えました。
 そして過去の記憶が何枚もの写真を物凄いスピードでめくるかのように浮かんできて。
 本当に記憶の断片が時間の流れを無視して溢れかえってきたのです。
 だからどの記憶も写真のように止まっていました。
 あれが走馬灯というものだったのかな、なんて思ったものです。
 精密検査の予約を入れたのですが、その日までがまた大変。
 なんせ普通に廊下を歩いていても、突然足元の床がグニャリと柔らかくなったような錯覚に捉われてつんのめりそうに何度もなりました。
 はたで見ている人には何でナンも無いところでコケるかなと笑われましたが、ナンも言えず。
 落ち着いたのは病院に行く前でした。
 どんな結果が出てもそれを受け入れよう、と思い再検査。
 不思議なほど落ち着いていましたので、医者の方も私が一時はパニックっていたとは思わなかったみたいで笑いながら何とも無いですよ、たまにこういう影出ちゃうんですよね、健康診断みたいに一度に大勢の人の写真を撮る時って、とのこと。
 病院を出て見上げた空の色は多分一生忘れることはないでしょうね。
 
 この前ここロンドンで健康診断を受けましたが特に異常は無いとのこと。
 
 知り合いもタバコ止めて他の弊害に苦しむくらいなら、タバコに負けない健康な身体作りを。
 ま、健康になるためなら死んでもいい、なんて言っているどこぞの健康ヲタクまでいかなくてもいいですから。