ノッティングヒル・カーニバル

 『カーニバル』
 辞書で引けば謝肉祭とありますが、そういった意味で使われる方のがずっと少ないのでしょう。
 華やかなパレードの催されるお祭り全般のことを指すほうが多いみたいですし。
 今日はノッティングヒル・カーニバル。
 ノッティングヒルと言えば、本屋さんと有名女優のラブストーリや、ポートベローマーケット等で知られていますし、部屋を借りようと思えば、お家賃はぐっとお高めになるほどの人気のエリア。 
 建物やお店もお洒落なものが多いので、このような場所であるカーニバルですから、それはそれはお上品なのかと思っていたのです。
 そう、実は行くのは今年が初めてです。
 そんな私を見透かすかのように友人が警告してくれました。
 兎に角用心を、と。
 さてどうなることやら。
 天気は昨日に引き続き最高の空を用意してくれました。
 行きの電車からして相当の混雑だろうと思っていた私の予想を、現実は軽く左斜め上を滑空していました。
 もう地下鉄の中からしてカーニバルは始まっていたのです。
 乗車率200%の混雑に加えて、ラッパに笛に歌声が車両に響いていました。
 もう、一部の人はアルコールも入って出来上がり寸前でしたし。
 
 駅を降りて兎に角人の流れに合わせて歩いていくことに。
 しかも周囲を見渡してみると、白人の少なさにちょっチ驚きでした。
 ロンドンでこれだけ白人以外の人を見るのってそうそう無いだろうな思うくらいに。
 皆歩きながらも大騒ぎ。
 中には目が既にやばい、といった所まできているような人もいたりして。
 
 このカーニバルは、街の中の決められた周回コースをひたすらもパレードし続けるので、コースの何処かにいれば全てのパレードを見ることが出来るわけです。
 しばらく歩いていると、周囲の騒ぎに呼応するかのように、前からも陽気な音楽と歓声が沸きあがってきました。
 どうやら周回コースに辿り着いたようです。
 でも本当にここをパレードが通るの?と思うくらいに狭いし、道いっぱい人で埋まっていました。
 
 そして道の向こうからラテンのリズムにのってパレードが見えてきました。