ひぐらしが鳴く頃に
8月に入り、今年は夏らしい夏が来ないまま終わるのかと思いきや、ここ数日、昼間は日差しが強く暑い日が続いています。
夏の訪れが遅かった分、今年は秋ごろまで暖かい日が続くのではとランドロードが言っていました。
そういう気候のことをインディアンサマーと呼んでいるらしいのです。
ま、日本で言えば小春日和の日が多くなるといった感じなのでしょうか。
雨が多く降った後に暑い日が続いたせいでしょうか、今年は蚊の被害が例年より多くなりそうと新聞にありました。
渡英して3度夏を迎えましたが未だに蚊にさされたことはありません。
蚊だけではなく、以外と緑が多いのにあまり虫をみかけないのですが。
いまではもう慣れてしまいましたが、ロンドンに初めて来た年の夏はもう本当に猛暑というほどだったのですが、何か物足りないなと思ったのです。
それは沢山の木々があるのに蝉の声が全くしていなかったからでした。
在住の人に聞いても蝉の鳴き声を聞いた事ある人っていませんでした。
虫の音に季節を感じるのはどうやら日本人独特の感性みたいです。
でももし地球温暖化が続き、ここロンドンでも生態系が変わってしまって、蝉の鳴き声がハイドパークに響いたり、蚊取り線香なんかを必要とする夜なんてものがくるのかもしれませんね。
イギリスでひぐらしが鳴く頃には世界はどんな変化をとげていることやら。
いくつかの地域は水没して海面下にあることでしょうけど。
現に日本では温暖化が進み、南の方の国でしか見られなかった蚊や他の昆虫が見付かったなんてニュースでやっていましたから。
とそんなことを考えていたら私の部屋に意外な訪問客が。
いえ、決してイニシャルGではありません。(最初に‘ゴ’のつくあの虫のこと。)
クワガタのメスでした。
どこの木から来たのか分かりませんが。
数枚写真を撮らせてもらって外へ逃がしました。
一夏の命ですから。
でもまさかロンドンでクワガタを見れるなんてね。
探せばカブトムシもいるのかもなのです。
網と虫かご持って探しにと行きたいところですが、こっちの店ではこの二つ売っていませんから。
虫取りする子供なんていうのがまずいませんし。
それにしても本当にあのクワガタどこから来たのでしょうね。
そして何処へ行くのでしょう。
仲間に会えたのならいいのですが。
誰にも会えずに夏の終わりと共に命を終えるというのも、仕方ないといえばそれまでですが。
なんだかやけに寂しいじゃん、そういうのって。