ラオコーン像

 バイト先の上司が面白い話をしてくれました。
 上司は旅行好きで、色々な国を渡り歩いているのだそうです。
 過日もギリシャのロドス島へ行ってきたばかり。
 その旅先でラオコーン像を見てきたそうです。
 それはヴァチカン美術館にあったものと同じものであったとか。
 私も写真で見ましたが、ほぼ同じものでした。
 ま、でも良くある事でしょう。
 現に私もフィレンツェに行ったときは、街のあちこちでかの有名なミケランジェロダビデ像を見ましたから。本物はアカデミア美術館にあります。
 で、上司が気にしていたのが、どちらがホンモノなのか??
 ということでした。
 ま、ここまで似ていると同じ人が二つ作ったとは考えにくいですから。
 色々と調べたけど結局どちらが本物なのかは分からずじまいだったとか。

 確かにネットでざっと調べてみても、諸説入り混じっていてどちらが本物かは俄かには分かりませんでした。
 ただ一冊の本に行き当たりました。
 その本の内容紹介にこうあったのです。
 ラオコーン像はロドス出身の3人の彫刻家によって製作されたもので、その3人の活動時期を碑文資料に基づく係累学的研究から絞込み、さらに様式的な検討を加えてヴァチカンのラオコーンの像をオリジナルと断言し…、と。
 ま、これも学説の一つなのかもしれませんけど。
 この本を読めばもっと分かるのかもしれませんが入手は難しそう。
 それにしてもこのラオコーン像、探せばもっと出てくるのかもしれませんね。
 そしてそのどれもが本物の芸術作品であることでしょう。
 それらは贋作を本物と偽って高く売ろうとするためではなく、もっと高尚なところからきているものでしょうから。
 今時の下らないマネーゲームに成り下がった、芸術ごっこしか出来ない現代人には到底出来っこない事ですね。