巡り行くもの全て巡り還る
で、お金。
お金が好きって表現は何か変。
というのもお金そのものには特になんの意味も無く使うことによって初めて意味を成すのですから。
ま、コインや紙幣をコレクションしている人は兎も角。
自分が欲しいものと、それと同額のお金持っていたら、その欲しいもの手に入れるのだとしたら、お金よりもその‘物’の方が好きなわけですし。
でもお金って本当に人を狂わせる魔法のいらないマジックアイテム。
うまい棒から人の命まで、万人共通の価値を示してくれるのですから。
あ、また下らない前置き。
人を喜ばせもして、悲しませもして、不幸のズンどこまで落とせるこのお金。
何が嫌って、貰える筈のお金が入らないことほど憎むべきことはないでしょう。
給料や借金の返済、品物の代金、自分のものになるはずのお金を貰い損ねると、額によっては殺意さえ持てるのですから。
ロンドンのとあるカフェでバイトしていた友人の話。
既にそのカフェを辞めていたので店の内情を知らぬまま、給料日に当然のようにお給料貰いに行ったのですが、出ない。
なんとそのカフェのオーナー会社が変わっていて、旧オーナー時代にバイトしていた分の給料は払えないとのこと。
もう大ショックだったそうで、って分かります。
カフェやレストランでバイトしている人達なんて、殆どが留学生。ここ物価高のロンドンでなんとかやっていこうと懸命にバイトしているのです。
当然ここでのバイト代をあてにしている、いえそれこそ、命綱にしている人だっていたことでしょう。
現にほぼ毎日のようにバイトしてた人もいたそうです。
もう、聞いているだけで胸がつまりそうでした。
社員同士で結託して訴訟という話しまでなったそうですが、それでもバイトの給料まで出るかなと言ってたのですが。
どんな店であれ客に必要とされなければ淘汰されるのは仕方ないとはいえ、そこで働く人にしてみれば、理不尽なことこのうえないでしょうね。アホな上のせいでなんで自分らがってさ。
不条理、理不尽、こんなはずじゃなかったのに、言いたいことは尽きないでしょう。
でも今の世の中、いつだってもう、こんなはずじゃなかったってことばかりですからね。
儘ならないことばかり。
欲しいものは手に入らず、取り合えず必要なものを揃えておくだけで精一杯、いえそれさえも出来なくて傷つけてばかり、後悔ばかり。
ああ、一体誰の何の事を言ってるんだ私。
でも話し聞いていたらなんか自分の中でも込み上げてくる物があって。
数日後、奇跡的にバイト代出たそうです。
因果応報って言葉を思い出しました。
良い事であれ、悪いことであれ、自分から出たものは自分に還ってくるのです。
ということは、このような結果になったということは、きっとこの友人の今までの行いがこうした形で出たのかもなのです。
お金は天下の回り物。
自分の所から出たお金は、いつ還ってくることやら。
なんかよく回っている割には、いつも自分のところスルーされているような気がして。