BBQ 当日編

 そしてパーティー当日。
 天気はよく晴れ渡りガーデンパーティーには持って来いの陽気です。
 準備しておいたお肉と焼きそばを持ち地下鉄で友人宅まで行くことに。
 ロンドンで知ったことはウイークエンドの地下鉄をいつも通りと信用してはいけないということです。もう平気でいつも使っている駅が閉まったり、一部の路線が運休になりますから。
 そういえば日本から遊びに来ていた妹は、週末になると平気で運休したり閉鎖してしまう地下鉄にビックリしていました。日本ではありえないことでしょうからね。
 勿論事前にチェックしてグッドサービスの表示が出ている路線を選びました。
 因みに、ロンドンの地下鉄においてグッドサービスの表示するところの意味は、サービスが良いというわけではなく、一応今のところは平常どおりに電車が動いているといった意味なんですが。
 最初はなんでそんなことをわざわざ表示するのか、通常通りに運行するのは当然なんだから一々言わなくてもいいのにと思っていました。
 なんも知らなかった頃だからそう思えたのだろうなって、今となって言えることです。
 
 でもやはりロンドンの地下鉄、甘くはありませんでした。
 友人宅へ行くにはノース・イーリング駅で降りるのですが、降りようと思ったら電車は無常にもその駅を通過してしまったのです。
 ゾーン3のようにセントラルから少し離れたところにある駅のクローズ情報はウイークエンドの地下鉄運行情報一覧には掲載されず、各路線ごとのホームページでチェックしなければいけなかったのです。一覧表となっているところしか目を通さなかった私のミスです。
 仕方無いので次の駅で降りてバスで引き返してきました。

 やっとの思いで友人宅に辿り着くとほぼ準備は整っていましたので、台所を借りて自分の用意した串焼きの準備をしました。
 今はル・コルドンブルーに通っている友人。
 招かれた人も一緒の学校の人が多く手伝ってくれたり、色々と料理を作っていましたがさすがプロの人達は違うなと思わせるくらい手際も味も見栄えも鮮やかなものでした。
 
 用意した串焼きは味噌漬けの豚肉。
 醤油はわりとイギリス人の間でも広まっていますから馴染み深いものですが、味噌のたれってどうかな?と心配だったのですが嬉しいことに好評であっという間に無くなってしまいました。
 焼きそばも。ま、これは誰が作ってもね…
 友人はゲストの応対で忙しそうでしたので料理をしながら合間見て食べて、後片付けに専念。
 やっぱりパーティって招かれる側はいいけどホスト側になると大変なんだなと実感。
 英国ではパーティの準備からゲストへの給仕、そして後片付けまで全てしてくれるサービス会社があると聞きますが納得です。家庭でのパーティーの規模が日本とは違いすぎですから。
 
 沢山用意してあった食べ物もあっという間に影も形も見当たらず。
 でも用意した甲斐があるということですね。
 これだけ多くの人が来るのも友人達の人徳なのでしょうね、こういうときに普段の行いの結果がでるのでしょう。
 私なんて絶対開けませんから。
 
 洗い物を終えて外に出ると、パーティの余韻を残しつつも終わろうとしている感が漂っていました。でも外はまだまだ明るく、祭りの後を惜しみつつ、そして楽しむかのよう何人かがビールを片手に談笑したり、パンに残った肉を焼き、野菜をはさんで、たっぷりのオニオンチリソースをかけて特製のバーガーを作っていたり。
 イギリスのこの時期の野外パーティは本当にいいものです。
 夜は8時過ぎてもまだ明るく、湿気も無いので外にいても気持ちいいですし、(やや肌寒くも感じますがそんなのは上着着たり、お酒飲めばいいことですし)そして何よりも、緑の多いところにいても蚊や小さい虫もいないし。
 もうすぐ友人の旦那さんとなるリチャードが今日は色々と手伝ってくれてありがとう、と言いお礼を込めて私にバーガーを作ってくれました。
 どんな店で食べるものよりも、ボリュームがあるパテにオニオンとチリの効いたソースの組み合わせは最高でした。
 あまりの美味しさにリチャードに
「ありがとう、このバーガーにはあなたの愛を感じるよ」
 って言ったら、彼は一言
「君が感じているのはきっとオニオンとチリソースであって、愛ではないからね、」
 とのこと。
 英国人のこういう所、好きなんですけどね。