賄い

 バイト先でスタッフの賄ご飯を作る事を任されました。
 料理は好きで、渡英してからも出来るだけ自炊をするようにしていますが、それでも一度に15人分ぐらいの食事を作るのは初めて。
 しかも時間制限ありですから。
 じっくり手間暇かけてなんて言っていられません。
 でも大雑把に作ったり、手抜きをしていいわけではありませんから。
 皆出勤して仕事に入る前にご飯を食べますので、それに間に合うように、それでいて皆の胃袋をある程度は満足させなければいけませんから責任重大。
 あと予算も決まっていますから、少しでも量を多く作るためには色々と工夫しないと。
 
 最初に作った生姜焼きは失敗しましたが、でも前回に作った冷しゃぶと前々回に作った中華丼は好評でした。冷しゃぶはポン酢を買うと高いので似たようなたれを作りましたし、中華丼にはウズラの卵もちゃんと入れました。ほんのちょっとした事ですが、これがあるのと無いのとではだいぶ違いますから。
 お陰でスタッフの人にも美味しいと(ま、リップサービスもあるかもしれませんが)言ってくれました。残ったら次の日に回そうと思っていたのですがほぼ完食となりましたし。
 やはり皆が美味しかったと言って沢山食べてくれるのは嬉しいものです。
 料理と言うのは食べてくれる人がいて初めて料理となるのかもしれません。
 自分一人だけのために作るものと言うのはどこか未完成のままなのでしょう、きっと。
 自分が作ったものを食べてくれる人がいるというのは、案外といいものです。
 私自身ももっと精進せねばって…時々目の前のことに捕らわれ過ぎて大局を忘れがちなのですって今までの人生全部そうだったような。
 
 メニューは殆ど考えません。
 皆が食べたい物をリクエストしてくれますから。
 ま、無理なものもありますが。
 因みに次の賄いは鳥のから揚げです。
 この国はローストチキンやチキンソテーはあるのですが、唐揚や焼き鳥はありませんから。