こんな時代に

 ついうっかりと携帯電話をバイト先のロッカールームに忘れてきてしまいました。
 ま、なくても別に困らないのですが、なんか無いというだけで、世間のリンクの輪から取り外されたような気分です。
 ま、その程度のことで得られる一体感なんてちゃちな物を後生大事にしようとしている自分にちょっち驚きでした。こういうのがいわゆる携帯依存症の走りなのかもしれません。
 時間の節約になるとか手軽で便利なのが売りですけど、本当に忙しい人は携帯なんて持たないそうです。で、頻繁に使っているのは暇人なのだとか。
 ゆくゆくはこの携帯電話というのが文化や人間らしさを崩壊にまで導くなんて言っている人もいるくらいですから凄いものです。もしくはこんなもんに崩壊させられるこっちの方が別な意味ですごいのかもしれませんが。
 でも人間の文明といいますか、技術の発達は何かを伝える技術の発達でしょう。
 手紙から、電信、電話、ファックス、そしてインターネット。
 いかに速く、値段を安く情報を伝えることが出来るかということが文明の証だったのかもしれません。そして一度普及したらもう元に戻ることは出来ない。
 今の世の中から携帯電話を無くすことは不可能でしょう。
 そのためには更に上をいく物が出ない限り。
 携帯の発達により、ポケベルが姿を消したのと同じように。

 でも伝える技術は発達しても伝えられる内容と言うものには今も昔も全くの進歩がないのかもしれませんが。
 どちらにせよ、不必要なものを必需品として生活しなければならないこの現代において携帯もその一つに過ぎないのかもしれません。
 とは言いつつ私も学校帰りにバイト先まで取りに行きましたが。
 結局携帯を手放していたのは昨日の夜から、今日の夜までの一日。
 これで誰からも電話が入って無かったらちょっチ寂しいかもなんて思っている時点で私もかなり依存症が進行しているのかも。