走れ走れ。それがご馳走。

 ここロンドンで、そこそこのお値段で入手できる日本食材の一つに納豆があります。
 私も日本食恋しくなると、お鍋でご飯を炊き(炊飯ジャーなるものがありませんので)味噌汁とキッパーズとよばれている鯖の燻製(どう考えてもパンよりご飯の方が合う味付けなんです)に納豆なんて食べています。
 どんなに高いステーキなんかよりよっぽどのご馳走です。
 そ、カラフルな見た目も鮮やかな料理ではなく基本は米味噌醤油、淡色で高たんぱく低カロリー。異国の地で健康を保つためにはこれが一番ですから。
 本当に日本食を考えたご先祖様は素晴らしいです。
 
 ところでその納豆、私はネギと削り節、醤油と辛子、と言いたいところですが、最近のにはこの二つは必ず付いてきていますね。
 それらをしゃかしゃかひたすら混ぜて混ぜて、混ぜて。

 家ごとや、場所によって多少の違いはあるでしょう。
 ある人から納豆に砂糖入れるなんて人もいましたから。
 でも、このやり方って砂糖を入れることで納豆菌の活動が活発になって、同じ納豆でもより栄養価の高いものになるのだとか。

 今日は友人の教えてくれたやり方です。
 微塵切りにした茗荷としば漬けを混ぜて最後に卵黄を入れます。
 美味しい。
 贅沢な食事ってきっとこういうことをいうのかもと思うくらいに。
 後は豚汁です。
 食べてて体熱くなってくるの分かりました。
 出来うる限りの食材をあちこちかけて探し回り、作る。
 ご馳走という言葉の由来は人をもてなすために、食材集めに走り、駆け回って用意したところからきているのだとか。
 本当の意味でのご馳走ですね。
 友人も大喜びでした。
 まだまだ続きそうな冬のほんの一時の楽しみです。