ベルギー旅行  忘れないよ、この道を

 頭の中にずっと流れていました。
 歌詞全部は覚えてないのですけど。
 ベルギーってどんな国なのか、名前は知っていても中々イメージすることは出来ませんでした。
 チョコレートとワッフルが美味しく、ベルギービールが有名で、かの名作『フランダースの犬』の舞台となった場所、ここの情報は入ってきても、中々それだけでイメージするのって難しいものです。
 やっぱ実際に行ってみない事には。
 
 ロンドンのウォータールーからベルギーの首都ブリュッセルまで約二時間ほど。
 そこから在来線に揺られること1時間弱でアントワープの街に到着しました。
 この街に少年ネロが、あれほど見たがっていたルーベンスの絵があるノートルダム大寺院があるのです。街のあちこちからワッフルの焼ける甘い香りが何処からともなくしてきます。
 駅からある程度旧市街へ向かって歩いていくと一際高い鐘楼が見えてきました。
 
 パリで見たノートルダム大聖堂との関係は分かりませんが、近くで見るといたるところに美しい彫刻や装飾が施されており壮麗な眺めでした。
 いよいよ中へ。€2です。
 中も外側以上に素晴らしい芸術品が多数並べられており、絵から滲み出る迫力のせいでしょうか、荘厳な空気に包まれていました。宗教が人に与える芸術への情熱というのはこんなにも見るものの心を捉えるのかと思うくらいに。絵や芸術センスに関しては素人以下の私の様な人間でさえ。
 そしてネロが最期に見たと思われるルーベンスの絵もしっかり見てきました。
 
 このノートルダム大寺院の前にネロとパトラッシュの記念ベンチがあるはずなのですが、丁度その場所が工事中だったので何処かに移動されてしまったみたいです。残念!
 でもこれからネロの育った街ホーボーケンへと向かうのですから大した問題では無いです。
 
 街中を走るトラムに乗って30分ほど。観光地らしかった街並みは見る見るうちに、その面影をなくしてまるで開発途中でストップしてしまったような寂しい雰囲気の場所が終点でした。
 そこがネロたちのいたホーボーケンでした。
 ここから毎日アントワープまでネロとパトラッシュは牛乳を運んでいたのです。トラムだから30分でしたが、実際歩くとなったら気の遠くなるような距離です。
 歌で♪忘れないよ、この道を、パトラッシュと歩いた、空に続く道を
 ってありますが本当に当時はそう思えるくらい長い道のりだったのでしょうね。
 ホーボーケンでネロとパトラッシュの記念像がありその近くにインフォメーションセンターがありました。訪ねてくる日本人が多いせいか、日本語のパンフレットがおいてありました。
 その近くでこんな店を見つけました。
 
 パトラッシュという名前のペット用品専門店で、犬のハーネスから鳥小屋までありました。
 ちなみにその近くにはパトラッシュという名前のレストランまでありました。
 あきらかに日本人を狙ったものでしょうね。
 案外と地元の人は知らないみたいですから。この『フランダースの犬』という作品を。
 
 ベルギーでもう一つ分かったのは、ワッフルを食べているのって殆ど観光客ぐらいみたいです。
 というのもアントワープにあれほど沢山あったワッフル屋さんが、ここホーボーケンでは殆ど見ませんでしたから。
 でも本当にワッフルは何処の店のも美味しかったですし、それにかかっているチョコレートソースも抜群にいけてました。ワッフルはもうこの旅行を通して何回食べたことやら。