ライオン・ダンス

 沖縄民謡と和太鼓の演奏を聴きに、SOAS大学へ友人と行って来ました。
 日本にいる頃には特に興味関心無かったのですが、こちらで聴いてみると、これが日本の音楽なのだなぁということを実感しました。沖縄民謡ですので演奏に使われていた楽器は三味線ではなく、蛇味線とでもいうのでしょうか、その音色や太鼓のリズムなどを聴いていると、普段は血の中にでも眠っている何かが、揺り起こされでもしたような感覚になりましたから。
 太鼓が激しくなってくると、空気の振動が肌に直接伝わってきて、まさに音を浴びているといった感じです。
 太鼓の演奏だけではなく、今ではめっきり見られなくなった『獅子舞』までありました。
 面白かったのは英語で説明するときにLion danceって訳していたのです。
 確かに英訳するとそうなのかもしれませんが…獅子舞とライオンダンスというのがなんだか上手く繋がりません。
 
 獅子舞の多彩さには驚きました。私が知っているものは、ただ首を振りながら動き回るだけのものでしたが、眼の前では太鼓に合わせて、力強く舞い、時には飛んだり跳ねたり、時には地に這って愛嬌のある素振りや滑稽な仕草を見せたりして、なんだか周囲の情景が眼に浮かんでくるくらいです。
 ライオンダンスと、確かにそう訳されても納得ものでしょう。
 
 入場無料だったのですが本当に楽しめました。
 聴きに来ていた人が飛び入り参加で太鼓を叩いて演奏したりもしました。
 最初はばらばらだった音が段々とリズムを刻んでくると、思わず身体を動かしたくなってくるから不思議です。
 といいますか、私も一緒に太鼓を叩いてみたくなる程に。
 本当に会場の人達が一体となって楽しめました。
 言葉で表現しきれない音に、国や文化や言葉を超えて感動を共有出来たのです。
 
 
 来場の方に福があるようにと打ち出の小槌を振っていました。
 
 飛び入り参加で太鼓や拍子木を叩いていた人達は、特製の半被をプレゼントされたみたいです。
 別に着ることは無いのでしょうけど、それすら少しいいなぁなんて思ってしまって。
 何処まで行ってもやっぱり日本人です。何を今更というくらい当然のことですが、こういう時でもなければ考えたりしませんから。自分が何人なのかなんてこと。
 
 ま、駄洒落好きの別の友人がいたら
「半被もらえて超ハッピー」
 なんて言うんだろうなぁなんて思いつつ。
 
 勿論、私は間違っても言いませんが。
 
 
 一緒に観にいった友人(左)と見事な獅子舞を演じてくださった…名前が出てこないです。ごめんなさい。
 友人は獅子舞を見てすっかりファンになってしまったらしく、終わった後で一度は会場を後にしたのですが、やっぱりもう一度会いたい!で一緒に写真撮りたい!!と言って戻ってきたんです。
 そして念願かなって一緒に記念撮影までしていただけました。
 公演が終わった後でしたが、気持ちよく応じて頂けました。
 本当にありがとうございました。