そこにいる誰かへ 2
幽霊屋敷の住人になった友人からメールが来ました。
夜中にトイレのドアが開いたり閉じたり廊下から足音聞こえたりと
眠れない日を過ごしているらしいです。
以前とある映画でこんな台詞がありました。
「この世に不必要なものなんて存在しないし、もしあったとしたらそんなものが存在できるはずが無い。
だからそれがそこにある以上必ず誰かが必要としているんだ」
と。うろ覚えですから正確さにはかけますがそんな内容です。
もしかしたらその部屋の気配も足音もなにかしら意味があるのでしょうか。
そして私のような人間にではなく友人の所に出ることにも何らかの意味があるのかもしれません。
今あの部屋の気配の主は心底友人を必要としているってことなのでしょう。
ま、友人の言い分も聞いてみたものですが(というか勝手なこと言うなって怒られそう。)
やっぱりこの世にはいない人なのかな?
敬愛する作家さんの言葉をふと思い出しました。
明日をもらえる人ともらえなかった人がいる。
何故、もらえなかったのだろう、もらえた人は何の為にもらえたのだろうと。
その作品の中では忘れないためにと言ってましたが
でももし自分自身のこと全てを忘れてしまっていて何を覚えておいて欲しいの
か、何を思い出して欲しいのかが分からず、部屋の中を一人
ずっとさまよう事しか出来ないでいるのだとしたら…
これほど寂しい話もないでしょうね。
もっとも、すでに寂しいなんていう気持ちすら忘れてしまっている
のかもしれませんが。