10月28日 金曜日 曇り
 英国ではもうすぐ、正確に言いますと10月30日でサマータイムが終わり今よりも時計を一時間遅らせることになります。
 全てのシステムが一日でぴったりとズレ変われるというのは驚きです。
 流石グリニッジ世界標準時刻を言い切っているだけのことはあります。
 
 段々と日が、といいますより日照時間が短くなってきているなあというのが分かります。
 夏は夜9時ごろでも明るかったのが今ではもう5時には暗くなり始めますし。
 朝は8時でもまだ暗く部屋は電気を付けなければなりません。
 慣れないとウツ気味に陥ってしまうんですよね、と言っていた人もいました。
 
 逆に私の先生は冬の静かで暗いこの街も好きだと言っていました。
 この街の暗闇はどこか暖かさを持っているのかもしれません。
 そう感じられるのは真っ暗になるこの街のどこかに暖かい灯火があるのを感じられる人なのかもしれません。
 砂漠が美しいのは何処かに井戸をかくしているからと言っていたぼっちゃんもいましたからね。
 今この本の新訳が日本で沢山出ていると聞きました。
 読みたいなぁ。

 今日は素敵な絵本と出会えました。

 台湾で絵本作家をされてるジミーさんの本です。
 題名は『地下鉄』
 
 地下鉄の入り口で 
 天使に「サヨナラ」と
 言われた日から 
 私の目は 
 少しずつ 見えなくなった。
 光の無い世界にも
 ひとり言を言う自分にも
 慣れてしまった 15歳の誕生日
 私は 秋の雨にうたれながら
 再び 地下鉄へと向かう

 
 こうして物語は始まります。
 
 優しい色使いの絵、寒色であっても決して冷たさを感じさせず、一枚ずつの絵から紡ぎ出される世界のなんて鮮やかなこと。
 そして紡ぎ出される言葉のなんて温かいこと。
 心の壁や扉を通り抜けて奥底に響き渡りました。
 余韻が引いていった後の心地よさとそして自分の周りの風景がなんだか違って見えてきましたから。
 まだ呼んだことの無い方がいたらホントに薦めたいです。
 もし本屋さんへ行って見かけたら手にとって見て欲しい。
 買わなくてもいいですから(こらこら)
 直ぐに読み終わるでしょうけど多分今自分がここに立っていること
 この本を読めること、沢山のことを考えさせられるのではと思います。

 私も近いうちにこの本の英語版を探しに行くつもりです。