あれから12年、このさき12年

cashcard2007-11-28

 目が覚めると、そこは知らない場所でした…
 
 ふとどこか遠くへ行きたくなるような、という題目の現実逃避真っ最中。
 やらなければいけないことが、いっぱいだというのに。
 あーあいっそのこと、全部放り出して、このまま遠くへ行っちゃおうかな、なんて思って。
 でも普通思うだけで止めておくものを、今回は実行しちゃったりしました。
 ろくな準備もせずユーストン駅から電車に乗り北を目指しました。
 ま、方角はどちらでも良かったのですが、一番長く電車に乗れますので。
 何処まで行こうか、なんて考えていたらいつのまにか眠ってしまったみたい。
 気付けばそこは『Inverness駅』
 スコットランドの北端でした。
 あの有名なネス湖がある場所です。
 ここまで来たらネッシーでも見に行こうかと、駅からバスに揺られること30分
 見えてきましたネス湖
 縦に長い湖ですので向こう岸まではそれ程遠く無いのですが横方向ですと何処まで続いているのか俄かには分からないくらいです。
 私が降りたのはアーカート城跡。
 
 侵略と城砦戦の歴史を重ねた後に、最期は城主自らが城を爆破して幕を閉じた悲しい城です。
 壁や通路に所々修復跡はありますが、完全に復元するので無く、最期のままの姿を保って保存しているのがいいなと思いました。
 湖の方も何度も見たのですがネッシーは今回は発見できず。
 土産物屋には沢山の種類のネッシーがいたんですけど。
 他にもネッシーのテーマパークらしきものがあったのですが、ここまでいくともう完全にキャラクター化してしまっていて。
 ミッキーマウスやドナルドダッグと違ってネッシーは生命の奇跡の果てに今もなおこのネス湖のそこにいるのですから。やり過ぎるとなんか神秘性というかミステリアスな部分がこそげ落ちてしまいそうで。
 ま、商売している人にはいてもいなくてもいいんでしょうけど。
 
 さて帰ってきて今度はインヴァネスの街観光。
 スコッチウイスキーが証明するように、スコットランドは水と自然の豊かな場所です。
 ここインヴァネスも例外ではなく、中心に流れるネス川も綺麗でした。
 
 古い街並みがそのまま残っていて、今も大切にしながら生活しているというのがよく分かります。
 なんでも取り壊して新しくすれば良いというものではないということを、この国に来て学ぶことが出来ました。
 さてスコットランドで有名な食べ物といえば、ハギス、スコッティッシュビーフ、そしてウイスキー。折角来てこれを試さず帰るなんてことはしません。
 ハギスはレストランやパブならどこでも置いてあるというくらいのもの。
 羊の内臓を使った料理なのですが思っていた以上に美味しかったです。
 でもまぁ、一度食べれば充分ですが。
 
 ハギスです。

 スコッティッシュビーフは赤身が多いものの、とても柔らかく美味しかったです。
 一緒にベーコンとチーズ入りのマッシュポテトを食べると更に美味しいです。
 

 ウイスキーは御みやげに買いました。
 とにかく種類が沢山あってどれがいいのかさっぱり分かりません。
 日本やロンドンで見たことあるような銘柄から、全く知らない物まで。
 その中で選んだのがハイランド12年ものです。
 スコットランドのこの素晴らしい自然の中で12回の冬を過ごして今ここにあるというのが、なんだか妙に興味を引いたので。
 時間を過ごすことで得られるものもありますが、同じくらい何かを失うものです。
 それはウイスキーも人も同じことでしょう。
 ただ今あるこの形が、蓄積された結果であり、何一つ欠けても何一つ余分でも成し得なかったものということなんでしょうね。
 それにしても、このウイスキーが造られた12年前、私何していたんだろ。(御バカな学生だったのは確かです。)
 でもって12年後何をしているのでしょうね。
 そしていつこのウイスキーを開けるのやら。