クラスメイトが泣いていました。 
 私はそれを目の前で見ていましたが何も出来ませんでした。
 
 どうして涙を流すのか、なぜ泣くのか?
 この答えは今までに何回泣いても分かりません。
 ただ人は大切なもの、(それこそ自分と同じかそれ以上に)を手に入れてそれを無くしてしまったと思った時、どうしていいか分からなくなってしまい泣くということもあるのかもしれません。
 だから何かをあきらめてしまった人はその事に対して決して涙を流すことは無いのでしょう。
 大人は子供より泣く回数が少ないのはもしかしたら沢山のことをあきらめることが出来るからでしょうか。
 (でも本当に大切なものは決して無くならないものです。ただ形が変わってしまい、在り方が変わってしまい、それで何処に行ったかをもう一回見付けるのに、ほんの少し時間がかかるだけで、ホントはね、いつでもすぐ近くにあるんですけどね。)
 
 どうしていいのか分からないけどここに自分にとって大切なものがあるという印を涙を流すことで刻んでいるのかもしれません。
 その人にとって大切なものは涙を流した場所にきっとあるのでしょう。
 今はまだ分からなくても後で振り返る時の目印なのかにゃ?
 だから今は、泣きたいだけ泣いて涙が乾いたらまた歩いていけばいいのかと。
 乾かないうちは前がよく見えないし周りにいてくれる人の顔も分からないから。
 乾くまでの間ぐらいだったら付き合えるでしょうし。
 もっとも彼女にはそういうことに付き合ってくれる仲間はいるみたいですが。
 泣かないのが強いなんて思っていると本当に泣き方忘れてしまって、でそうなると泣く人の気持ちさえ分かんなくなってしまう。
 そんなちゃちな強さなんていらないんですよね。
 じゃあ強さって何なのでしょう?
 
 人によって違うのでしょうけど
 私はこういうこともその一つではないのかなと思っています。
 ドラえもんのあるお話からです。
 こんな台詞がありました。
 しずかちゃんのお父さんが結婚前日に彼女に言った台詞です

「午前3時ごろだったよ。君の産声が天使のラッパみたいに聞こえた・・・。楽しかった日、満ち足りた日々の思い出こそ、君の最高の贈り物だったんだよ・・・。」
のび太くんを選んだ君の判断は正しかったと思うよ・・・。あの青年は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことの出来る人だ。それがいちばん、人間にとって大切なことだからね・・・。」
 その大切なものを持ち続けられること。自分でも気づかずにごく自然に。
 それを強さと言ってもいいんじゃないかなってね。
 
 大切なことはドラえもんから教わった人って結構多いかも。
 私もその1人です。
 気づくまでにだいぶ時間かかりましたが。